事  例

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契約を巡る税務トラブル
業務委託契約と給与認定
  外注先に対して業務委託契約を結んでいますが、その内容を見ると、業務委託契約は
 取引先との受注業務や商品企画開発といった抽象的なものとなっています。
  契約期間は1年、その都度更新が可能です。
  委託金額は年間480万円で12か月均等払いとなっています。
  業務受託者は個人事業者です。
  契約書によると、業務受託者が消費した交通費や交際費等の諸経費は、いったん業務
 受託者である個人事業者が実費相当額を立替払いし、毎月当社宛に請求書を提出するこ
 とにより精算することになっています。
 (結 論) 業務委託費は給与と認定され、源泉所得税が課税されるとともに、消費
      税の仕入税額控除も否認となります。
  (その理由)

        最高裁判例(昭和56年4月24日最高裁第12号)で、事業所得とは、
       自己の危険と計算において独立して営まれ、営利性、有償性を有し、かつ、
       反復継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められる業務から
       生ずる所得としています。
        今回の事例では、毎月40万円と定額であり、具体的な業績を反映して
       いる事実が立証されませんでした。
        さらに、業務受託者(個人事業者)の諸経費、いわゆる営業コストを業
       務委託者(会社)が支払っていますので、事業所得者の必要要件である
       「営利性、有償性」にかけているで、給与所得と認定されました。
        つまり、事業所得者に費用負担がないことは不自然なのです。
        ちなみに給与所得の場合、時間的な拘束を受け、継続的ないし断続的に
       労務又は役務の提供があり、その対価として支給されるものを言います。
 (契約書作成上の注意点)
     次の事例が含まれている場合には給与認定の恐れが懸念されます。
     ・ 当社以外からの仕事を受けることが制限をされていないか
     ・ 当社の作成したスケジュールにのっとった仕事をしていないか
     ・ 旅費や交通費を当社が負担をしていないか
     ・ 勤務時間や勤務場所の指定がされていないか
     ・ 業務委託費用の総額を12で除し、毎月支払っている場合、その都度当社
      に作業報告書等が提出されているか(仕事の進捗状況を示すもの等)
     ・ 請負報酬の最低保証はあるか
     ・ 当社の従業員の受ける福利厚生に参加をしていないか(健康診断、レクリ
      エーション等)
     ・ 時間外労働に対する対価を得ていないか
     ・ 通勤手当の支給はないか
     ・ 当社の最新の組織図や配席図に登載されていないか
     ・ 当社の退職者である場合、退職前の業務と類似していないか
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