よくある質問

Q. 税務調査の際によく業務委託費が問題になりますが、どのような場合に否認されるのかパターン別に教えてください。
A. 1 業務委託費を給与と認定される場合

個人事業者と業務委託契約を結ぶ時、交通費や宿泊費等の諸経費については、受託者である個人事業者がいったん実費相当額を立替払いし、後日清算をしている場合業務受託者は個人ですので事業所得となります。
今回の場合、個人の経営コストを会社が支払っています。
これは事業者の用件としての「営利性」「有償性」に欠けていますので給与所得と認定される可能性が非常に高いことになります。
つまり事業所得者が負担をすべき費用が発生していないことは不自然と見られるからです。
交通費等の支給基準は当社の旅費規定をを準用していませんか?
もし、給与と認定された場合、消費税の仕入額控除が否認されますので、追徴課税が発生してしまいます。
業務委託費は消費税法上、仕入税額控除の対象とされていますが、給与は不課税なため、控除が認められません。



2 業務委託費を交際費と認定される場合

不動産売買業や建設業ではよく業務委託費やコンサルタント料といった名目の支出があります。
税務調査の際には、何を委託して具体的にどのような成果物が手に入ったのかを証拠書類等で説明しなければなりません。
特に抽象的な表現が業務委託契約書には見受けられますが、これが問題となるのです。
近隣対策費や不動産売買に当たっての仲介業者やその周辺に支払われるものは、なかなか書類等では残りませんね。結果としての成功報酬的なものはなおさらです。
目安としては次の3つを充足していないと、その支出は単に仕事を円滑に進めるための費用であるとして、交際費と認定されます。
(1)あらかじめ締結されていた契約によるもの
(2)役務の内容が契約書に具体的に記載されており、かつ、実際に役務の提供を受けていること
(3)支払った金品が役務の内容から相当であること

不動産の媒介業者に支払う業務委託料は、取引金額×3%+60,000円、つまり宅地建物取引業法で定める仲介手数料では足りない部分について、これを補完するためのものが見受けられますが、取引にかかった原価部分であることを立証できれば交際費とはならないでしょう。
それには日頃から物件ごとの資料等をきちんと保存しておくことが重要です。
口で言うには簡単ですが、この説明はかなり大変です。
相手方の証言も重要になってきますので、メモもきちんと残しておいて下さい。
最近受けた調査の際には、時間はかかりましたが事実認定により、国税当局に認めてもらった事例があります。



3 業務委託費を寄附金と認定される場合

海外の現地法人を設立するに当たり100%出資をした当社が、その現地法人と業務委託契約を結び経営支援を行っている例がよくあります。
委託内容は現地の市場調査となっていますが、実際は運営が軌道に乗るまでの繋ぎ支援でした。契約書は作成され毎月報告書も送られてきましたが、内容がともなっていません。
ちなみに、当社と現地法人とは取引関係はありません。
税務調査により、業務委託ではなく業務支援であると判断され寄附金認定となりました。
この場合、現地法人の資本金の50%以上が当社から出資されており、いわゆる「国外関連者」となりますので、寄附金の損金算入限度額に関係なく、全額損金不算入とされました。
「国外関連者」との取引を独立企業間価格に比べて低価又は高価で実施したことにより、法人の所得が減少する場合、その取引は独立企業間で行われたものとみなして所得の計算をするというものです。(移転価格税制)しかし、この税制は取引価格を通じて所得の移転にのみ適用されますので、金銭の贈与や債権放棄等には適用されません。
つまり、これが抜け道となってしまいますので、「国外関連者」に対する寄附金は、全額損金不算入としているのです。