税務調査ウラ話BLOG

調査ウラ話

現金監査

税務調査の方法には色々な切り口がありますが、昔から「人」、「物」、「金」のいずれかを端緒として深度ある調査を行えば、自ずと結果が出ると言われて来ました。
今回の「現金監査」は正に「金」の領域です。
  
現金商売の会社の調査では、事業の実体を把握するために無予告による現況調査が行われることが多々ありますが、その時、必ずと言ってよいほど「現金監査」も実施されます。
具体的には、調査日当日の現金残高と金銭出納帳の帳簿残高との照合を行い、「調査前日の金銭出納帳の帳簿残高」ー「調査日当日の現金で支払われた仕入や経費+「調査日当日の現金売上高」の検算を行います。
調査日当日の現金残高と一致しますよね?
一致しない!それはおかしいですね。
調査官は、現金残高が少なかったら売上を抜いた後だと思うし、逆に現金残高が多かったら売上を抜く前の状態と想定するでしょう。いずれにしても差額の説明をしっかりと行わなければなりません。
よく苦し紛れに、「代表者への時貸しのお金を返してもらったので現金が多い」とか、逆に「時貸しをしたのを忘れていたので現金が少ない」と開き直る人がおりますが、まさに墓穴を掘っている説明となっています。
もし、そうであるならば、会社と代表者間の金銭のやり取りが恒常的にあるということになりますので代表者個人の預金通帳やカバンの中身までチェックされることになるでしょう。
現金の残高が一致しない場合には、その日の売上は夜間金庫に預けるか、あるいは店の責任者がいったん閉店後に持ち帰り翌日整理をするか、代表者宅に届けさせるか等、現金の管理をどのように行っているかの説明を求められます。
もし、代表者宅であるならば、すぐに同行をお願いし、現物確認の調査を受けることになります。
現金にルーズな会社は疑われても仕方ありませんね。
飲食店や小売店の経営者は、従業員の不正行為の防止も兼ねてレジ等現金を扱う担当者を時間でシフトするなど、内部牽制には気を配っているはずです。
現金管理の責任者が親族関係者の場合、現金監査で現金が合わないとなると確信犯と見られてしまいます。
日頃の現金の管理状況、例えば、集金がある場合には、どの帳簿書類に基づいているのか、集まった現金は誰がチェックして最終的には誰に渡しているのか等について、調査官は根掘り葉掘り聞かれますよ。
調査官は意味もなく聞いているのではなく、説明に出てくる帳簿書類や手控え等を確認し、その全貌を把握するための端緒を探しているのです。
「最近のものしか残っていません」、「古いものは捨てました」と答える経営者もいますが、相手先に反面調査をすれば分かる話しです。どんなに面倒でも、結果が大変なことになるのが目に見えているのですから、日頃から帳簿残高と現金の確認は必ず行うようにしましょう。