欠員となった場合の退任取締役又は監査役の取扱い
欠員となった場合の退任取締役又は監査役の取扱い
調査対象法人は、M取締役の退任後も後任が決まるまで欠員が生じたままの状態となっています。
定款には取締役の人数が明記されているため、とりあえず商業登記簿上は退任の登記を行っていません。
M取締役は退任後も従業員として調査対象法人に勤務し、従来どおり取締役会にはオブザーバーの名目で出席して営業関係や人事関係のアドバイスをしています。
調査官は事実関係にあいまいさが見受けられることから、詳しい内容の聴取を始めました。
定款には取締役の人数が明記されているため、とりあえず商業登記簿上は退任の登記を行っていません。
M取締役は退任後も従業員として調査対象法人に勤務し、従来どおり取締役会にはオブザーバーの名目で出席して営業関係や人事関係のアドバイスをしています。
調査官は事実関係にあいまいさが見受けられることから、詳しい内容の聴取を始めました。
- 調査官
- 取締役が一人欠員となっていますが補充はしないのですか。
- 担当者
- 会社法及び定款により取締役の人数が定められていますので、近々には後任を決めたいと思っています。
- 調査官
- 前M取締役の仕事はどなたが引き継いでいるのですか。
- 担当者
- 残りの取締役が兼任でなんとかこなしています。
- 調査官
- Mさんは退任後どうされたのですか。
- 担当者
- 一般の従業員として会社に留まり、そのノーハウを活用させていただいております。
- 調査官
- Mさんの給与体系はどうなっていますか。
- 担当者
- とりあえず後任の取締役が決まるまで従来どおりの給与と賞与を支給しています。
- 調査官
- 会社法第346条第1項で「役員が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する」と規定しています。
- 担当者
- それがどうなのですか。
- 調査官
- 取締役の退任によって欠員が生じた場合の当該退任取締役は、後任が選任されるまで権利義務を有するとありますので、税法上の「その経営に従事する業務」としてみなし役員に該当します。
- 担当者
- Mは役員を退任していますので、単なる従業員ではないですか。
- 調査官
- Mさんは引き続き取締役会に出席し、経営の重要な意思決定を行う場で発言しており、また人事関係という重要事項にも関与されていますので「その経営に従事する業務」を行っています。
- 担当者
- みなし役員になるとどうなるのですか。
- 調査官
- Mさんに対する給与の支払が定期同額の役員給与で不相当に高額とは認められませんので、定期部分については損金処理ができます。
しかし、賞与の支給額についてはMさんが使用人兼務役員には該当しませんので、損金不算入として所得金額に加算していただきます。
- 担当者
- 分かりました。
質問ですが、仮に監査役の退任によって欠員が生じた場合の退任監査役は、みなし役員となるのですか。
- 調査官
- 監査役は業務監査と会計監査を役割としており、取締役のような「経営に従事する業務」に携わっていませんので、みなし役員になることはないと考えます。
- 調査官
- 取締役が一人欠員となっていますが補充はしないのですか。
- 担当者
- 会社法及び定款により取締役の人数が定められていますので、近々には後任を決めたいと思っています。
- 調査官
- 前M取締役の仕事はどなたが引き継いでいるのですか。
- 担当者
- 残りの取締役が兼任でなんとかこなしています。
- 調査官
- Mさんは退任後どうされたのですか。
- 担当者
- 一般の従業員として会社に留まり、そのノーハウを活用させていただいております。
- 調査官
- Mさんの給与体系はどうなっていますか。
- 担当者
- とりあえず後任の取締役が決まるまで従来どおりの給与と賞与を支給しています。
- 調査官
- 会社法第346条第1項で「役員が欠けた場合又はこの法律若しくは定款で定めた役員の員数が欠けた場合には、任期の満了又は辞任により退任した役員は、新たに選任された役員が就任するまで、なお役員としての権利義務を有する」と規定しています。
- 担当者
- それがどうなのですか。
- 調査官
- 取締役の退任によって欠員が生じた場合の当該退任取締役は、後任が選任されるまで権利義務を有するとありますので、税法上の「その経営に従事する業務」としてみなし役員に該当します。
- 担当者
- Mは役員を退任していますので、単なる従業員ではないですか。
- 調査官
- Mさんは引き続き取締役会に出席し、経営の重要な意思決定を行う場で発言しており、また人事関係という重要事項にも関与されていますので「その経営に従事する業務」を行っています。
- 担当者
- みなし役員になるとどうなるのですか。
- 調査官
- Mさんに対する給与の支払が定期同額の役員給与で不相当に高額とは認められませんので、定期部分については損金処理ができます。
しかし、賞与の支給額についてはMさんが使用人兼務役員には該当しませんので、損金不算入として所得金額に加算していただきます。
- 担当者
- 分かりました。
質問ですが、仮に監査役の退任によって欠員が生じた場合の退任監査役は、みなし役員となるのですか。
- 調査官
- 監査役は業務監査と会計監査を役割としており、取締役のような「経営に従事する業務」に携わっていませんので、みなし役員になることはないと考えます。